学生が、奈良の企業の新規事業(なりわい)づくりにともに取り組むならわいfor students。第3回目が、2026/3/4-7にかけて行われます。テーマは「文化のまちをつくる3日間」。
「もう少しどんなプログラムなのか知りたい!」という声にお応えして… 2025年3月に開催された ならわい for students「旅のまちをつくる3日間」の参加者に話を聞いてみました。
プログラムが終わった今も活動を続けている「ならのまど」チーム。
奈良や大阪に在住するメンバーもいれば、遠く群馬から参加しているメンバーまで。そんな「ならのまど」チームの、岡村さん、城戸口さん、難波さんにお話を伺いました。

左から、岡村さん、城戸口さん、難波さん。
城戸口さんは、平城京天平行列「東大寺参詣」の花鈿(かでん)メイク体験で奈良の雰囲気を満喫!
【メンバーの紹介】
岡村さん
奈良県在住。帝塚山大学文学部日本文化学科に在籍中。
大学2年生のとき、ならわいに参加。(都合により、冒頭のみインタビューにご参加いただきました!)
城戸口さん
群馬県在住。高崎経済大学経済学部国際学科に在籍中。
大学3年生のとき、ならわいに参加。
難波さん
大阪府在住。大阪大学医学部放射線技術科学専攻に在籍中。
大学3年生のとき、ならわいに参加。

2025年3月開催のならわい for studentsのときの写真
左から2番目:鈴木さん(天理大学英米専攻卒業・現在社会人1年目)
中央:藤原さん(横浜国立大学都市科学部建築学科・現在大学1年生)
現在は学生の4人を中心に活動を継続しています。
【ならわいで取り組んだ課題】
受入先企業:株式会社エヌ・アイ・プランニング
テーマ:外国人観光客の方がもう一度来たくなる仕掛けとは?
現在の活動内容について教えてください!
(岡村さん・城戸口さん)奈良市の公式アプリ「SHIKA no ASHIATO」を活用したデジタルスタンプラリーの企画・準備を進めています。「朝の奈良」をコンセプトに、朝こそ魅力的に映るような名所を巡ってもらえたら、と奈良の寺社を中心にスタンプ設置のご相談をしています。
—「朝」にフォーカスしたのはなぜですか?
ならわい for studentsのプログラムの中で、奈良は宿泊が少ないという話がありました。観光客は多いのに、泊まっていく人が少ない。その課題についての話がとても強く残っていて。奈良の課題解決にもつなげられたら、と企画しています。
—ならわいが終わってからも、チームでの活動を続けようと思ったのはなぜですか?
(城戸口さん)あの 4 日間で終わるのはもったいない!というのがチームの共通認識でした。ならわいが終わってからも、最終発表で提案したプランを形にすることを目標に進めていたんですが、なかなか実現が難しくて。そこで方向性を変えて、スタンプラリーの方へ軸足を移しました。このチームでチャレンジしたい!という想いがずっとあって、今も続いています。
(難波さん)自分だけだと、なかなか行動を起こさない人間なんですが、「これがしたい!」って提案してくれる仲間がいて。そして、この仲間とならやりたい!と思えるからこそ続けています。
(城戸口さん)この機会を逃してなるものかと思っていました(笑)こういう活動が好きなんだと思います。
ならわいで難しかったポイントは?

答えのない問いに悩みながらも、明るい雰囲気でアイデアを出し合うならのまどチーム
—取り組むテーマは、「奈良に訪れた外国人観光客がまた来たくなる仕掛け」だったと思いますが、取り組むなかで難しかったポイントはありますか?
(難波さん)どういう切り口で考えるか、視点を変えないといけない、という点です。「観光地」ってどこであっても、なかなか2回目は行かないと思うんです。奈良を「観光地」と捉えている限り、なかなか再訪のためのアイデアは出てこない。じゃあどうしたらいいんだ、って頭を悩ませました。
(城戸口さん)中間発表でのフィードバックを受けて、2日間考えてきたものがゼロになりました。そこから、改めてまた来てくれるような人ってどんな人だろう?と考えました。奈良に興味がある人、歴史に興味がある人ってどんな人だろう?と、視点を変えながらメンターのポン真鍋さんとともに掘り下げていきました。その時に「研究者はどうだろう?」とアイデアが出てきて、ターゲットを絞り込んだ企画を考える。そうしてなんとかかたちにしました。
ならわいを通して、変わったことや、得られたものはありましたか?
(城戸口さん)観光で来るだけでは出会えない、仲間に出会えました。私は奈良のことが好きで、それまでは観光客として奈良に来ていたのですが… その時にはなかなか人とのつながりは広がらなかったんですけど。ならわいに参加したことで、今も続く仲間ができて。また、奈良で何かしてみたい!という気持ちが湧いてきて、就活においても奈良を意識していました。
(難波さん)自分とは性格も感性も全く違う人たちと出会えたことがとても大きいです。周りの友達は、感性や性格が近い、楽にいられる関係かどうかで選びがちなんですけど。自分を引っ張ってくれる、頑張りたいと思わせてくれる、そんな人たちと出会えたのは、自分の人生で見た時にとても大きい出来事だったと思います。
ならのまどチームってどんなチームですか?
(城戸口さん)自分が意見を出したとき、きちんと受け止めたうえで、さらに良くしようとしてくれるチームです。組み合わせたらどうか、どうしたらもっと良くなるか、こうした方がいいんじゃないか、ともに試行錯誤をしてくれます。私の意見とみんなの意見がずれた時があったんですけど、その時もきちんと聞いて、受け止めてくれる。そのとき、本当にこのチームで良かったなと思いました。
(難波さん)それぞれの個性が、星みたいにばっちりハマっているような。円滑に議論するために、自分は今どういう立ち位置にいればよいのか?をそれぞれが考えていて。うまく穴を埋めあっているチームだと思います。また、ならわい以外の時間を共有できたことも大きかったです。Day1が終わってから、城戸口さんの提案で二月堂の修二会を見にいきました。提案してくれていなければ、行っていないと思うし、そうやっていろんな時間を共有できたのはよかったです。
―今後、ならのまどはどんなチームでありたいですか?
(城戸口さん)まずは現在のスタンプラリー事業をやり切りたいです!その先は、就職などで活動頻度は落ちるかもしれませんが、関係性は続けたいなと思います。
(難波さん)同じく、コンスタントな活動がなくなったとしても、関係は続けていきたいです。自分は先陣を切って、何かやろう!と言ったり、引っ張ったりはしない人間ですが、誰かが提案してくれる限りは、やりつづけたいです!

チームのことを話すとき一段トーンがあがるおふたり
最後に、参加を検討している方々へひとこと!
(城戸口さん)ならわいは何かを始める、一番のきっかけとしてすごくいい場所だなと思っていて。私も何もない状態で挑んだけれど、最初にならわいに参加して、そこからいろんな活動に広がっていきました。何もやってない、はじめられていない、という人にこそ、初めの一歩としてすごくいい場所だと思います。
(難波さん)マジで頑張れ、本気出せ、と伝えたいです。マジでしんどいけど、マジで頑張れ。もうそれだけです。
編集後記
熱い想いを語ってくれた「ならのまど」のみなさん。ならわいを通して生まれた出会いが、今も活動や人生に影響を与えていることが印象的でした。限られた3日間の中で、悩み、何度も立ち止まり、視点を変えて挑戦する。その経験を共有できた関係性にあたたかいものを感じました。ならわい for studentsが、“仲間とともに悩み、考える”経験を経て、人生を一歩前に踏み出す経験になっていれば嬉しいです。






