「ならわいは、学生生活にじわじわくる」正岡さん 奈良女子大学

学生が、奈良の企業の新規事業(なりわい)づくりにともに取り組むならわいfor students。第2回目が、2025/3/5-8にかけて行われます。テーマは「旅のまちをつくる3日間」。

「もう少しどんなプログラムなのか知りたい!」という声にお応えして、2024/3/11-13に開催した第1回目「ならわい for students まちをつくる3日間」の参加者に話を聞きました。

正岡さん
京都府出身。奈良女子大学の文学部に在籍中。大学1年生のとき、ならわいに参加。5人のメンバーでプロジェクトに臨みました。

ならわい、どうでした?


大変でした!だけど、楽しかったです。グループとしてはいい提案ができたと思います。だけど、わたし個人としては打ちのめされることの連続でした(笑) それでも、参加してよかったです。

ならわいは部活に似ています。わたしは高校からバレーボールを続けていますが、実は大変なことの連続です。試合中にレシーブミスをして苦しい場面。「ここで決めないと、先輩の最後の大会が終わってしまう」とプレッシャーを感じる場面もあります。

だから、今の自分にできることを出しきります。ベストを尽くした瞬間は楽しいんです。やりきった!

どうして参加したんですか?

将来の自分が決まっていないなかで、いろいろ試してみたくなったんです。企業インターンシップなどもあるなかで、ならわいが気軽にはじめられそうでした。“創業”を考えたことはなかったけれど、単純に「おもしろそう」な気がしたんです。事前開催のトークイベントも聞いて、参加を決めました。

取り組んだプロジェクトは?

近鉄大和西大寺駅にある梅守第二ビルの再開発プロジェクトです。ビルの顔となる1階の「飲食店」がテーマでした。国籍や性別、年齢、病気や障害に囚われることなく、まちに住むひとも観光で訪れるひとも混ざり合う交流拠点をつくるための仕掛けづくりを考えました。

大変だったことはありますか?

わたしたちは、5人でグループワークを行いました。

グループでいうと、時間が…足りない(笑)!3日間はほんとうにあっという間でした。グループで進めるからこそ、いろいろなアイデアが出てきます。それらをまとめて、提案という形にしていくのが大変でした。
わたし個人でいうと、経験が…足りない(笑)!グループには、学生起業しているひともいました。経験があるから「資金計画を考えます」「スライドをCanvaでつくります」と自分から動けるんですね。だけどわたしは、どう動いたらいいかわからない。そんなことがたびたびありました。

ーここだけの話、凹んだこともありましたか?

ありました、ありました(笑)!わたしも力になりたい、と提案したことが見当違いのときもあって。それでも考え続けるから、学びがすごいんだと思います。やりながら「こういうことなんだ」と。

どんなことを学びましたか?

72時間すべてが学びでした。えっと…思いつくままに話してもいいですか?

・「はじめて」に挑戦するハードルが下がりました。

・運営やメンターの方をはじめ、社会人の仕事を間近で見られてよかったです。「大人ってこんなふうに仕事をしているんだ」と知ることで、自分が働くイメージも持てました。

・ものごとを順序立てて考える「思考のフレームワーク」がちょっとだけ身につきました。

・思いを言葉にする大切さに気づきました。以前は、うまく伝わらない場面も「まあいいや」とやり過ごしがちでした。最近は「そうじゃなくて、こういうことで…」と言えるようになってきたかな?

未来、変わった?


ならわいは、あとからじわじわくるんです。たとえば今日は、大学の授業でフィールドワークをしてきたんです。まちを歩きながら「こういうふうに進めていくとよさそう」と考える自分がいました。

それから、ならわいを通じて「ひとに話を聞くのって楽しい」と感じました。将来こういう仕事をしてみたいと思いはじめています。

え、ならわい2回目もするんですか?今年も参加しようかな!

編集後記

3日間を思い出し、言葉がどんどん溢れ出る正岡さん。「体験を言語化して伝えることが楽しい!」という印象でした。マスメディアやネット経由ではなく、目の前のひとから直接声を聞くことで、新しい世界が開けたのかもしれません。自分の思いを粘り強く言葉にできるようになり、ひととの関わり方も変化する。そんな濃密な3日間の体験がありました。ならわい for sutudentsは、まちを部活のグラウンドのように使って、学生が躍動できる機会のようです。

(2024/10/30 インタビュー 大越はじめ 撮影 奥田しゅんじ、金栄吉)

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